夜の闇の中に見えた駅舎は、
思ったよりも立派な建物で、
初めての無人駅というには
勝手が違う感じでありました。
ひょっとしたら、無人では
ないのかも知れない…
ふとそんな思いもよぎっていたのです。
私は不安になって駅舎の中に
入っていったのです。
確かに駅は立派でしたが、
果たしてそこは無人駅でありまして、
私としてはほっとしました。
夜になると無人になるらしくて
そこには待ち合い室と同居して
売店のようなものもありました。
外観は、山小屋風といったら良いのでしょうか
なんか、雰囲気のあるモダンな感じの建物でした。
その待ち合い室に先客が数人
寝袋にくるまってお休みになっていたので、
後から来た新人としては
騒がず静かに休みに入ることだと思い
すぐに寝支度に入り
その日は寝ることにしたわけです。
翌、早朝、あまり寝ぬれないまま目覚め
寝床をかたずけ、まだ薄暗いホームに
出てみました。
東京を立った時は9月に入ったばかりで
まだ、残暑きびしい気候だったのに
ホームの片隅には
彼岸花が咲いたのです、
本土では10月に入ってから見かけるわけだから
ここまで来て1ヶ月も気候が早いことになります、
そんなことに感心しているうちに
様似方面の一番列車が到着して
私は一路襟裳岬に向かうことにしました。
ところで、何故このような中途半端な場所で
野宿をっしたかといいますと
当初は襟裳ユースに泊まることにしていました、
予算の都合と、その時の気分で
近場のどこかで寝る場所を探したわけです。
前日も『八甲田』で車中の旅でしたので
疲れていたのですが、なんだかあまり眠れぬまま
今日の日が始まりました。
様似より先は、襟裳岬をまわり
幸福駅で有名になった広尾線(1987年廃止)で帯広に向かいます。
広尾駅に着くまでのアプローチは
国鉄バス網が広がっているので
ワイド周遊券のエリアに含まれていて、
乗り放題で旅をできるのが、幸いです。
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